仏事のあれこれ忌明け法要の準備とその意義について
忌明け法要について
大切な方を亡くされ、慌ただしく葬儀を終えた後、次に行われる大切な法要が「忌明け法要」です。
浄土真宗の教えでは、亡くなった人はいのち終えると同時にお浄土に生まれ、仏となります(往生即成仏)。そして、今度は私たちを常に見守り、導いてくださる存在になる、と教えられます。ここには、死を穢(けが)れとする「忌み」の考え方はありません。
しかし、教えの上ではそうであっても、親しい人を失ったばかりの私たちが、その事実をすぐに受け止め、故人を「仏さま」として仰ぐことができるかといえば、それはまた別の話でしょう。頭では分かっていても、心が追いつかないのは当然のことです。それは、私たちが深い悲しみや喪失感、時には後悔や割り切れない思いを抱えた人間だからに他なりません。
だからこそ浄土真宗における忌明け法要は、亡き人を成仏させるための儀式ではなく、残された私たちが、故人が仏さまとなってくださったことを受け止めていくための大切な儀式なのです。
葬儀から忌明け法要までの約一か月という期間は、故人を亡くした悲しみや寂しさを無理に乗り越えようとするのではなく、その喪失感を否定せずに大切に胸に抱きながら、故人を偲ぶ時間であってよいのだと思います。
もちろん、一か月で悲しみが癒えるわけではありません。故人を仏として受け止めていくまでの時間も、人それぞれ大きく異なります。
忌明け法要は、悲しみや悼む気持ちを終わらせるための儀式ではありません。
むしろ、私たちを常に見守り、導いてくださる仏さまとなられた故人の、温かい想いやまなざしが、確かに自分に注がれていることを感じ、確かめていく、そんな仏さまと歩む日々の始まりの法要なのです。
法要の日程について
一般的には忌明け法要を四十九日法要とも呼ぶように、命日から数えて四十九日目に営む法要ですが。正圓寺の位置する名古屋地域では三十五日目に忌明け法要を行うことも一般的に行われており、正圓寺でも三十五日での忌明け法要を主に行っております。 ただし、ご家族の希望に応じて四十九日での勤修も承っております。
三十五日あるいは四十九日当日でなくても、その前後のお日にちで集まりやすい日に予定ください。
お通夜の際にお選びいただける候補の日程をお渡しいたしますので、その中からお選びください。
位牌について
名古屋地区では繰り出し位牌(中に複数枚の木の板が収められた位牌)を用いることが多くあります。葬儀あるいは通夜の際にその中の一枚をお持ちください、法名を記入して忌明け法要の際にお渡しします。(その際、通夜葬儀で用いた白木の位牌は回収いたします)
法名軸、過去帳を用いている場合も一度お預かりして記入いたします。
また、お位牌を新たに用意する場合、この忌明け法要までにおつくりいただくとよいかと思います。
法要の会場について
ご自宅、あるいは正圓寺本堂においてお勤めいたします。(その他ご自身で手配いただいた会館等で行うこともできます)
法要の準備について(お仏壇で行う場合)
- 白の蝋燭(忌明け以降の法事では朱蝋燭を用います)
- 線香 1,2本
- 焼香セット(炭・香)※あれば
- お供え ※あれば
法要の準備について(正圓寺で行う場合)
- 位牌あるいは過去帳あるいは法名軸(法名がわかるもの)
- お供え ※必須ではありません。お持ちいただいたお供えは法要時にお供えさせていただきます
- 遺影(お写真) ※お持ちいただいたお写真は法要時にお飾りする事ができます。写真スタンドはお貸しできます。
※遠方でご参加できないご家族がいる等で法要中の映像通話を行いたい場合、Wi-Fi環境をお使いいただけます。また、スマートフォンスタンドのお貸し出しも可能です。
法要の準備について(その他の会館等で行う場合)
その施設により異なります。施設にお尋ねのうえご相談ください
お布施の目安
お布施の金額は、本来は寺院が指定するものではなく、皆様がご家族とそしてなにより仏様とご相談して決めていただくものと考えております。お布施の額に悩むこと、その悩み自体も価値のある尊いものです。しかしながら、それでも決められないという事もあるかとは思います。
寺院維持を預かる立場として申し上げますとご法事の場合3万円~のお布施をお願いしております。
また、正圓寺を会場とする場合は5万円~のお布施をお願いいたします。
ご相談・お問い合わせ
日程や準備についてのご不明な点は、お気軽にご相談ください。 ご家族の状況に応じて、柔軟に対応させていただきます。
当ホームページの法事全般についての案内ページの内容もどうぞご覧ください。